美紗登先生の漫画「40歳老いてしまった女~毒の穴から甦った復讐母~」は、哀しい復讐の物語です。
愛情あふれる綺麗だったお母さんが再婚した夫と妹に裏切られ、毒物で醜い老婆となってしまい、かれらに復讐を誓うのですが・・・
「40歳老いてしまった女」のあらすじ
沢渡美咲は未亡人で一人息子のひかるがいました。
ギャンブル癖のある働かない男・安彦と再婚し、親の遺産である小さなお惣菜店で一生懸命働いていました。
ですが、ホストクラブ通いの妹の夏恵がしょっちゅう金をせびりにくる困った状況。
この土地を売れば6億手に入る、と欲に目がくらんだ夏恵は、安彦と共謀して美咲を始末して財産を手に入れようと企みます。
綺麗な奥様がしわくちゃの醜い老婆に!
めずらしく安彦にドライブに誘われた美咲。
けれども、その行き先は毒でいっぱいの産業廃棄物処理施設の地獄穴だったのです。
汚染物質まみれになった美咲は、かろうじて命を取り留めたものの・・・鏡を見るとそこには綺麗だった顔の面影すらなく、誰もが目をそむけるような醜い老婆と成り果ててしまいます。
許せない!息子を鎖につなぐふたりに復讐
やっとの思いで夏恵と安彦を発見した美咲は、そこで信じられないものを目にしてしまいます。
愛する息子のひかるが、犬小屋で鎖につながれ虐待を受けて・・・
自分だけではなく、息子にまで手を伸ばしたふたりに怒り、美咲は復讐を誓います。
「40歳老いてしまった女」の結末と感想
料理上手のキレイであったかいお母さんだった美咲が、強欲な夫と妹によって地獄を味わわされるお話。
本の表紙がかなりこわ〜い鬼のような老婆なので、ホラー系かな?と思っていましたが、普通に復讐モノでした。
美咲はあんなにいい人なのに、妹が似ても似つかないというか、再婚相手の夫の性格の悪さもなんで見抜けなかったんだろう・・・
あまりにも変化した外見のせいで、息子にまで怖がられてしまう美咲がすごくかわいそうでしたが、やはり「お母さん」というのは見た目が変わってもわかるものですよね。
金の力を使って夏恵をさんざん精神的にイタイめに合わせて、夫と一緒に自分と同じ目にあわせてやったのは爽快でした。
そうは言っても、復讐は何も産まないもの。
最後は美咲もまた、復讐の罰を受ける形になりましたが、最愛の息子さんと過ごせたならハッピーエンド、といえなくもないかな。
サクサク読めたし、ラストも感動的で読後感がとてもいいお話でした。