美醜オムニバス漫画3篇を収録した「美醜コンプレックス~女は見た目が全てなの?~」は、ブスであることにコンプレックスでいっぱいの女たちを描いた短編漫画集です。
ブスっていうだけでダメなの? 見た目さえキレイなら愛されるの!?
そんな醜い女たちの心の叫びが聞こえてくるような物語。
こちらではそれぞれのお話のあらすじと感想をご案内します。
「美醜コンプレックス」収録作の各あらすじ
誘惑エステティック~おデブでも幸せになりたい!~(川端みどり)のあらすじ
結婚を考えていた彼から「デブ」であることを理由にフラれてしまったさつき。
曰く、体重をコントロールできない人間には家庭を守れないから、と。
クイーンサイズのピチピチの洋服を着て、ぶくぶくに太った容姿。
フラレた腹いせで、ついついガツガツ食べてしまう。
キレイになれば私も・・・と通っていたエステの美人エステティシャンにあこがれて高額コースを申し込み、大金をそそぎこむさつきだったが・・・
3匹のブス~せめて心だけは美しく…~(河東ますみ)のあらすじ
誰がどう見ても「ブス」としか言いようのない醜女顔の塩野美子。
顔のせいで就職できないと悩むほどのブスっぷりであった。
彼女はそっくりな三つ子のブス姉妹のひとりで、ある日生き別れの妹が見つかるが、似ても似つかないほどの美しい女だった。
遺産相続にあたり、その美しい妹にすべてを奪われそうになり・・・
美しい母には秘密がある~ヒステリックな彼女~(秋山紅葉)のあらすじ
小学生の美和のママは、みんなからうらやましがられるほどの美人でおしゃれな女性だった。
あんなにキレイなママなのに、美和はそばかす扁平顔のブサイク。
まったくお母さんに似ていないよね、本当に親子なの?と友達から揶揄され・・・
美醜コンプレックスの感想
「美人」あるいは「ブス」というだけで、世の中はまったく変わってしまうものです。
美しければ、なにもしなくても周りが称賛してくれたり、優しくしてくれるのに対して、ブサイクであれば心根の優しさなど誰も見てくれずに、何も悪いことをしていないのに差別されたりいじめられたり。
「誘惑エステティック」のヒロインも、結婚がだめになった理由は「太っている人間は自己管理ができない」というもので、言いたいことはわかるけれども、頭ごなしに決めつけられて捨てられるというのも納得がいかないものです。
最終的にはハッピーエンドに向かったから良かったですが、これで最後まで悲惨な展開だったら目も当てられません。
「3匹のブス」のほうは、顔だけじゃなく心までブスだった、というわりと救いがいない系なお話で、生まれたときから醜さのせいで冷たくされつづけると、心まで醜くなってしまうのか・・・という雰囲気でした。
「美しい母には秘密がある」はよくあるお話で、元の顔はブサイクな娘そのものだったんですけれども整形で美しさを手に入れていたわけで、逆転してその後の人生はどうなったんだろうかと考えさせられます。
斬新さに欠ける内容ではありましたが、「美醜」というテーマでまとめられ、とても読みやすい内容になっていました。
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