井出智香恵先生の漫画「花鬼御殿~女は心に鬼がいる~」は、同居する兄夫婦によって冷酷非情な乗っ取り屋の「花鬼」に妻として売り飛ばされてしまう女子高生のお話です。
第1巻では、何も知らない無垢なヒロイン・ひまりが兄夫婦に騙されて「花鬼」の家に送り込まれ、病で入院している母の医療費のために「絶対服従」を強いられる怒涛の展開です。
「花鬼御殿~女は心に鬼がいる~」第1巻のネタバレ
不幸続きの女子高生
高校3年生になる佐藤ひまりには、心臓病で長期入院中の母親がいた。
父はおらず、兄夫婦と同居中で、兄は印刷所を経営しているものの、業績が思わしくなく倒産寸前。
不幸ばかり続く生活に、ひまりは大学への進学すらあきらめていた。
見舞いに行くと、母・由加は義理の姉・美保子が娘をいじめているだろうと心配した。
「美保子は、血も涙もない女」
美保子は確かにいじわるで感じが悪い女で、ひまりはひそかにいじめられていたのだった。
「あなたを守ってあげたいのに、私の命はもう長くない」
お金がないばかりに、ろくな治療もできず、ひまりは何もできないことに無力感を感じる。
兄の会社の倒産危機
家に帰ると、兄・昭良は泣いていた。
「会社が不渡りをだして、倒産するかもしれない」
深刻な顔で、母の手術代どころかこのままでは一家離散の危機にあると告げ、なぜか一通の封筒を「ある人」に届けてきてほしいと頼まれる。
タクシーに乗せられたひまりは、「花鬼御殿」へ連れて行かれ、運転手から彼らは残酷な「会社の乗っ取り屋」だと教えられる。
ひょっとして、兄の会社はその人たちに乗っ取られてしまったのだろうか、と訝しむひまりだったが、高校生の自分がこんなお使いを頼まれた理由に納得がいかない。
「花鬼御殿」は成金らしく、大豪邸であった。
売られた!?援助と引き換えに花鬼の嫁に
豪邸から出てきたのは、年の頃が自分と同じくらいの青年と、強欲そうな顔の女だった。
「あなたは兄夫婦に売られたのよ」
天花寺家の息子の嫁になることと引き換えに、兄の会社に2億円を出すと・・・
まさか、と抵抗しようとしたひまりを容赦なく打ち据えて「あなたはもう、わたしのドレイよ!」と言う天花寺夫人。
絶対服従の証として、夫人は自分の足をなめろ、と迫ってきて・・・
※結末はあなた自身で読んでみてくださいね!
「花鬼御殿」の感想
不幸のどん底にいる女子高生・ひまりは、兄夫婦にお金と引き換えに売り飛ばされてしまいます。
兄は悪い人じゃない雰囲気だけど、気弱で嫁に逆らえないタイプ。
嫁の美保子は気が強く、人を人とも思わない冷酷な人間で、義理の妹であるひまりを売り飛ばすようにそそのかした張本人でした。
そしてさらに残酷な「花鬼」の家へ嫁がされ、病気の母親を人質に取られて言いなりになるしかない状況。
母思いのひまりにはもう選択肢はなく、天花寺にされるがままに苦しめられてしまいます。
天花寺夫人の発言から、どうやらひまりの母・由加と若い頃に何らかの因縁がある様子。母親の代わりに娘をいじめて復讐してやる、という感じですかねえ。
登場人物のほとんどが悪人オーラを漂わせているというか、夫となる天花寺司もこれまたドクズで、頼りになる人が誰もいないひまりがかわいそうを通り越して、「見てられない」くらい。
不幸、不幸の連続で次回はどうなるんでしょうか。つづく。
こちらの記事もおすすめです