紅林直先生の漫画「女優遺産」は、借金返済のためにダンスの夢をあきらめてローカルアイドルになった女の子が、大女優だった大叔母の生前遺産相続のために孤島へ向かう、サスペンスストーリーです。
不自然なほど若々しい大叔母からの「宝探し」の招待状。そして、怪しげな「親戚たち」・・・謎が謎を呼ぶ、第1話「始」のネタバレ感想です。
「女優遺産」第1話「始」のネタバレ
借金のために堕ちたバレリーナ
桜神はるかの母親はバレエ教室の先生で、娘であるはるかも才能ある美しいバレリーナだった。
だが、はるかには「協調性」がなく、せっかくのその才能も活かしきれずに母の教室で子供たちにバレエを教える日々を送っていた。
ある日「くるみ割り人形」の公演を前に、借金取りがやってきて母を脅した。
3500万円、という大金などとてもすぐには払えない。
借金取りのチンピラが、はるかの若さと美しさを見て自分のもとで「ローカルアイドル」をやれば、借金をチャラにすると言われてはるかはのむしかなかった。
落ちぶれたはるかのもとに届いた招待状
はるかは汚いアパートで、自分と似たような境遇の少女たちと一緒にローカルアイドルになるための準備をしていたところ、一通の奇妙な書類を受け取る。
それは「桜神ふじ子の遺産相続」に関する、弁護士からの書状だった。
「桜神ふじ子」は往年の大女優であり、はるかは血縁ではあるものの、父方の祖母の妹、という遠い親戚。
今まで会ったことすらなく、突然の知らせに驚くが「遺産」がもらえるというのであれば、出向かないわけにはいかない。
遺産のために陸の孤島へ
はるかは書状のとおりに、指定された場所へ向かった。
陸の孤島にて待つ、憧れの大叔母・・・だが、大叔母の血縁は、はるかひとりではなかったのだ。
同じように集められた「親戚」たちがバスに数十人も詰め込まれ、妖気漂う洋館で、とても70代とは思えない若々しい大叔母とまみえる。
「女優遺産」の感想
大女優だった大叔母の遺伝子を受け継ぎ、彼女に似た美しいはるかは母親の借金で「ローカルアイドル」という名のタコ部屋にみずから売られます。
お金が喉から手が出るほど欲しいこの状況で、降ってわいたような「遺産相続」の話。
順番的にははるかのお母さんのところに来るべきだと思うんですが、なぜかはるか本人に招待状が届いて孤島へ行きます。
この孤島のシーンはまるで、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」みたいな雰囲気で、あやしげな「親戚」たちと共に繰り広げられるバトルロワイヤルな予感。
遺産の相続人がはるかだけではないということは、その他の相続人たちと遺産を争うことになるわけです。
バスの中の顔ぶれは、はるかとはあまり似てない血のつながりを感じさせない人たち。
ミステリアスな洋館で、どんなサスペンスが繰り広げられるのか。第2話が楽しみですね。