板東いるか作「まんがグリム童話 わが愛しの女海賊(レディ・バッカニア)」を読みました。
金髪の美しい少女、メアリ・アンが「ジョン・テイラー」という男の名前で海賊船の水夫となり、船長のリチャードと恋に落ちる海賊ラブロマンス。
わが愛しの女海賊(レディ・バッカニア)のネタバレ
海賊船で小柄な少年であるジョン・テイラーは、男のふりをしていたが、じつはメアリ・アンという美しい少女だった。
船長のブラック・リチャードは「女みてえな顔だ」と最初から疑っていたが、海から落ちたメアリを救ったことで彼女が女だとバレる。
メアリは孤児で、イギリスの軍人であるヘンリー・ポーウェン大佐によって引き取られたが、ひどい目にあわされていたのだった。
軍隊につれていくためにメアリを男装させて船に乗っていたが、メアリは彼から逃れてきた。
もう女でいたくない、と男の姿のままで・・・
わが愛しの女海賊の結末
リチャードの男らしい愛に惹かれ、心を開いて彼を愛するようになったメアリは海賊としてともに生きようとする。
しかしヘンリーが英国海軍の船で襲ってきて、メアリをめぐり直接対決。
リチャードはメアリを助けるために、自らの命をかけて船に残るが・・・
※涙のラストはあなた自身で読んでね!
感想まとめ
読んでいて、映画の「パイレーツ・オブ・カリビアン」を思い出しました。
どこまでも広がる海原で、船上での海賊とのラブロマンスって素敵ですよね。
片目でおヒゲの海賊に、英国海軍がひとりの女性をめぐって取り合いになるって展開、ポーッとなります。
ヘンリーがなぜあそこまでメアリに執着しているのか、ヘンリー側の描写がなかったのでよくわかりませんでしたが、軍船使ってまで追っかけてくるストーカーって普通に怖い。
女性をモノ扱いするヘンリーのせいで、メアリはすっかり男性不信になり、自分が女であることを呪って少年の格好をしていましたが、それでも華奢な美少年、という雰囲気でリチャードが男だと思っていても惚れてしまいます(笑)
ただ奪うことしかなかったヘンリーとは全く違う男性である、懐の深いリチャードという男性のおかげで、メアリの男性恐怖症も治って「本当の愛」がわかります。
ページの都合もあったとは思いますが、ふたりがもっとイチャイチャする場面があってもよかったんじゃないかな。
結末は切なすぎるけれども、ジーンと胸にくるラストで読後感はとてもよかったです。
メアリのその後の人生は、リチャードと再び巡り会えたのか会えなかったにしろ、「女性」として彼への愛をいだいたまま生きていったんだろうなあ・・・と思えました。
ほかの作品も実際にあった事件や歴史の人物を題材にしており、独特の視点からテンポのいいストーリーに仕上がっていて楽しく読めました。
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