愛する夫・耕助との出会いを振り返る真歩。仕事はトロくても、天真爛漫な真歩の笑顔に恋した耕助は、最期の日まで幸せな日々を過ごしました。
けれど現実は厳しく、夫を亡くして失意の真歩に姑から「出て行け」と追い出されることに。
「泣いてるヒマなんかない!」天国から見守ってくれている夫を思いながら、シングルマザーになった真歩は娘を守るために母として行動しはじめます。
作品名:シングルマザーになりました
作者:岡田理知
「シングルマザーになりました」第二話「私のせいで」あらすじネタバレ
姑の冷たい言葉
「この家を出ていってほしいの」
姑が真歩を呼び出したのは、この一言を言うためだった。
だが、人の悪意がわからず空気が読めない真歩は姑の言葉が理解できない。
「すみません、お義母さん。ちょっと意味がわからないです」
ボケてそういう真歩に、姑はキレて怒鳴り始めた。
「耕助が選んだ人だからってずっと我慢してきたけど、気は利かないし家事もロクにできないし!」
さらに、耕助がしんだのは、あなたのせいよと責める姑。
真歩がだらしない人だからストレスをためて心筋梗塞になったんだ、とあなたと結婚さえしなければもっと長生きできたのに、と泣きながら叫ぶ。
「私のせい? 私が耕ちゃんをしなせたの?」
予想もしなかった冷たい言葉の数々に、打ちのめされてしまう真歩。
真歩と耕助の北海道の出会い
時を遡ること、15年前ーー
耕助は支社に飛ばされ、北海道に赴任していた。
仕事でミスってしまい、暗くベンチに座っていた耕助に声をかけたのが、真歩だった。
仕事がトロくて役立たずだから、と庭園の管理を任されて草むしりをしていた真歩。
庭に生えていたハーブでお茶をつくった真歩は「カモミールティーはいかがですか?」と、笑顔で耕助に勧めた。
ベンチに座りながら一緒にお茶を飲み、庭に舞う美しい蝶を眺めながら仕事は楽しいと話す真歩に、耕助は癒される。
その後、ちょくちょく庭に顔をだすようになり「結婚してください」とプロポーズした耕助。
「真歩とだったらきっと楽しい。
真歩とだったらどんなにつらいことも笑って暮らせそうな気がする」
それがプロポーズの言葉だった。
泣いてなんかいられない!
耕助との楽しかった記憶が思い出されて、また泣いてしまう真歩。義父がさすがに慰めようとしたが、姑がそれを許さない。
「泣き落としなんかに騙されちゃだめ!
泣けば済むと思ってるんだから、この人は!」
そして無情にもこれまでに立て替えた葬儀代・お墓代も、すべて返してちょうだい、と迫る。
「そうだ、泣いてるヒマなんてない! やらなきゃいけないことが山ほどあるんだから」
慌てて耕助が残してくれた遺産を整理し、しばらくは生命保険や遺族年金などでなんとかなりそうだとホッとする真歩。
「ひなこには不自由をさせないように。ちゃんと大学まで出してあげないと」
手続きを済ませて、なんとか母親としての義務を果たそうとする真歩だったが、姑に言われた一言がどうしても離れない。
自分のせいで、本当に耕助がこんなに早く亡くなってしまったのか、と涙する。
そのとき、一羽の蝶が部屋に入り込み「幸せだったよ」と耕助が言ってくれたような気がしていた。
「耕ちゃん、天国から見ててね。ひなこと私を守ってね」
「シングルマザーになりました」第二話の結末
シングルマザーの家庭になったことは、ひなこのクラスメイトたちにも伝わっていた。
「シングルマザーだと、『ヒンコン』になるから転校しちゃうの?」と無邪気に聞いてくる友達たち。
しっかり者のひなこも、さすがに生活苦はどうしようもない。もしも本当にお金がないせいで今の学校を転校することになったらどうしよう、と悩む。
そんなひなこに「転校なんてしないわよ」と安心させる真歩だったが・・・銀行からのお知らせで通帳の残高を見た真歩は凍りついてしまった。
当てにしていた300万円の残高が消えていたのだった。
「シングルマザーになりました」第二話の感想
急な病で亡くなってしまったことは悲しいけれども、真歩と耕助は最後まで愛情で結ばれていた夫婦だとわかった今回。
真面目で優しい耕助は、子供のように無邪気な真歩の笑顔に惚れてしまい、プロポーズしたのでした。ただ、お姑さんとは合わず、真歩のおおらかさは=気が利かない、だらしない、で常に批判的な目で嫁をチェックしていました。
耕助は本当にいい人だったようですが、そのお人好しさのせいで事業に苦しんでいた親友に大金を貸してしまい、妻子を窮地に追い込んでしまいます。
あるはずのお金がない・・・そう気づいた真歩は、お金を返してもらうために耕助の親友のところを訪ねますが・・・つづく。
第3話の感想